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知財トピックス

2026年02月18日

身近すぎて見落とす「商標」 ――“ホッチキス問題”から学ぶ、言葉の使い分け

日常で当たり前に使っている言葉の中には、もともとは特定企業の商品名(=商標)だったものが混ざっています。代表例としてよく挙がるのが「ホッチキス」。ところが、この話――実はかなり誤解されがちです。

「ホッチキス」は“元はそれっぽい”けど、いまは普通名詞として定着

「ホッチキス」という呼び名は、明治期に日本で販売された米国製の紙綴じ器に刻印されていた「HOTCHKISS No.1」が由来とされます。便利で画期的だったため、いつしか商品名のような呼び方が道具全体の呼称になり、全国に広がりました。

ややこしいのはここからです。新聞用字では「ホチキス」、規格では「ステープラ(ステープラー)」が一般名称として用いられるなど、表記・呼称が揺れる一方で、文房具としての「ホッチキス」は一般名称化している、と説明されることが多いケースです。

そして大事なポイントは次のとおりです。

“ホッチキス”のように一般名称化した言葉もあれば、いまも登録商標として保護されている言葉もあります。

逆に、“いまも登録商標として保護されている”身近な例

会話では「全部まとめてその名前」で呼ばれがちなのに、実は特定企業の登録商標という言葉もたくさんあります。たとえば――

  • セロテープ®(一般名称:セロハン粘着テープ/透明粘着テープ など)
  • マジックテープ®(一般名称:面ファスナー)
  • サランラップ®(一般名称:食品用ラップ/ラップフィルム など)
  • QRコード®(名称は登録商標として案内されている)

この手の言葉は、日常会話で通じる一方、商品・サービスの出所を示す目印としての役割も強いため、使い方によっては誤解や指摘につながりやすい領域です。

会話では通じても、Webや広告では、他社の登録商標を一般名詞のつもりで使うと注意が必要です。

トラブルを避ける、文章側の“簡単ルール”

発信側(Web、広告、資料、提案書、SNS)で迷ったら、まずはこれだけで十分です。

  1. 一般名称で書く(例:「面ファスナー」「食品用ラップ」「透明粘着テープ」)
  2. どうしても商品名を出すなら、出所が誤認されない書き方にする(例:「○○社の『△△』」)
  3. 必要に応じてJ-PlatPat等で確認(特に見出し・商品ページ・広告文など“商標っぽく見える場所”)

「通じる言葉」と「安全な言葉」は一致しないことがあります。だからこそ、ほんの少し言葉を整えるだけで、発信の安心感は大きく変わります。

※本文中の®は登録商標を示す表記です。

商標でお困りのことがございましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。

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