知財トピックス
2026年03月19日
アプリ画面や操作画面も保護対象に 「画像意匠」とは何か
「意匠」というと、椅子や家電、容器など、有体物の形状や模様を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、現在の意匠法では、一定の要件を満たす画像についても、意匠として保護を受けることができます。日本では、令和2年4月1日施行の改正意匠法により、画像の保護範囲が拡充され、物品に記録・表示された画像に限らず、画像そのものについても意匠登録の対象となりました。
特許庁が公表している登録事例には、アイコン用画像、経路誘導用画像、生理情報表示用画像、音量調整用画像、疾病予測結果表示用画像、機能選択用画像などが含まれています。

これらの事例からも分かるとおり、画像意匠は、単に見栄えのよい画面を保護する制度ではなく、機器の操作や機能の発揮と結び付いた画面デザインを保護し得る制度といえます。
もっとも、すべての画像が意匠登録の対象となるわけではありません。意匠審査基準では、保護対象となる画像として、主に「機器の操作の用に供される画像」と「機器がその機能を発揮した結果として表示される画像」が示されています。他方で、映画やゲーム等のコンテンツ画像、デスクトップ壁紙等の装飾画像のように、操作や機能との結び付きが認められないものは、意匠法上の保護対象とはならないとされています。

この考え方は、仮想空間において用いられる画像についても基本的に同様です。特許庁のガイドブックでも、仮想空間上の画像であっても、機器の操作画像又は機器の機能の結果として表示される画像に該当するかどうかを基準に判断することが示されています。

一方で、内容自体の表現を中心として創作された画像や映像、例えば壁紙、ゲーム内キャラクター、撮影された仮想空間の風景画像等は、画像意匠としては認められない例として挙げられています。
実務上は、ロゴであれば商標、プログラムであれば著作権や特許と整理されることが多いものの、ユーザーが日常的に接する予約画面、計測結果表示画面、選択アイコン、ナビゲーション画面などについては、画面デザイン自体が事業上の重要な価値を有している場合があります。

UIやUXが競争力の一部となる現在、開発段階から「この画面は画像意匠として保護できないか」という観点を持つことは、模倣対策や知財戦略の面でも有益といえるでしょう。

