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特許出願非公開制度のご説明

令和6年5月1日より特許出願の非公開に関する制度が開始されています。
 本制度は、特許出願の明細書等に、公にすることにより外部から行われる行為によって国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明(特定技術分野)が記載されていた場合には、「保全指定」という手続により、出願公開、特許査定及び拒絶査定といった特許手続を留保するものです。
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・本制度の対象技術分野について<令第12条第1項各号>
 下記に特許出願非公開制度の対象となる(1)~(25)の分野を示します。
(1)航空機等の偽装・隠ぺい技術
(2)武器等に関係する無人航空機・自律制御等の技術
(3)誘導武器等に関する技術
(4)発射体・飛翔体の弾道に関する技術
(5)電磁気式ランチャを用いた武器に関する技術
(6)例えばレーザ兵器、電磁パルス(EMP)弾のような新たな攻撃又は防御技術
(7)航空機・誘導ミサイルに対する防御技術
(8)潜水船に配置される攻撃・防護装置に関する技術
(9)音波を用いた位置測定等の技術であって武器に関するもの
(10)スクラムジェットエンジン等に関する技術
(11)固体燃料ロケットエンジンに関する技術
(12)潜水船に関する技術
(13)無人水中航走体等に関する技術
(14)音波を用いた位置測定等の技術であって潜水船等に関するもの
(15)宇宙航行体の熱保護、再突入、結合・分離、隕石検知に関する技術
(16)宇宙航行体の観測・追跡技術
(17)量子ドット・超格子構造を有する半導体受光装置等に関する技術
(18)耐タンパ性ハウジングにより計算機の部品等を保護する技術
(19)通信妨害等に関する技術
(20)ウラン・プルトニウムの同位体分離技術
(21)使用済み核燃料の分解・再処理等に関する技術
(22)重水に関する技術
(23)核爆発装置に関する技術
(24)ガス弾用組成物に関する技術
(25)ガス、粉末等を散布する弾薬等に関する技術
※この内、(10)~(19)の技術分野では付加要件が適用され、該当する発明について本制度の適用がされています。
 ご不明な点がございましたら、何なりとお申し付けください。
・付加要件について<令第12条第3項各号>
①防衛・軍事:我が国の防衛又は外国の軍事の用に供するための発明
②国・国研:国又は国立研究開発法人による特許出願(国及び国立研究開発法人以外の者と共同でしたものを除く。)に係る発明
③国の委託等:日本版バイ・ドール制度(産業技術力強化法第17条)or科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第22条
・技術分野等によるスクリーニング(第一次審査)について
特許庁は、公にすることにより国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が含まれ得る技術分野に属する発明が記載されている特許出願を、内閣府に送付します。
・保全審査(第二次審査)について
「保全審査」とは、発明の情報を保全することが適当と認められるか以下の①②の審査。
① 国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれの程度
② 発明を非公開とした場合に産業の発達に及ぼす影響 等
この保全審査中は、出願公開、特許査定、拒絶査定が留保されます。なお、その他の特許手続(手続補正、出願審査請求、拒絶理由通知等)は、留保されません。
・保全指定について
 上記審査後に保全指定と認められた指定中されると、
出願取下げ不可、実施許可制、開示の原則禁止、他社への共有の承認制、外国出願の禁止※が制限されます。
これらの制限により、出願人が受ける通常生ずべき損失については、補償されます。
※外国出願の禁止につきましては、保全審査中も同様の制限が課せられる。
以上、特許出願非公開制度の説明とさせていただきます。
なお、出願する発明が本制度に該当するか事前に確認する方法等がございますので、ご希望の場合は、弊所にご連絡頂ければと思います。

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