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◆◇◆ 佐野国際特許事務所 メールマガジン ◆◇◆
                                    2010年3月8日 第10号
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発信元:佐野国際特許事務所

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このメールマガジンは、弊所とお取引のあるお客様や、過去に名刺交換等を
させて頂いたお客様等を対象に送らせて頂く、無料のメールマガジンです。

知的財産に関する昨今の話題や、お客様の実務上お役に立つと思われる情報を
ピックアップして、送らせて頂きます。

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目次

◆◇ 特集 特許などの費用でメリットを得る方法(その2) ◇◆

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◆◇ 特集 特許などの費用でメリットを得る方法(その2) ◇◆
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<<はじめに>>

前回から、特許出願等の費用でメリットを得る方法について特集しています。
前回は、工業所有権法等で規定された方法を紹介しました。
今回は、それ以外の方法を紹介していきます。

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<<地方自治体等の補助制度>>

都道府県や市町村、あるいはその外郭団体が、特許出願等の費用について
メリットを得るための制度を持っている場合があります。

この制度は主として、中小企業や個人発明家等の特定発明、特定出願を対象に、
補助金を負担する制度として存在します。

また、この制度は、特許出願等の補助金制度として存在する場合と、研究開発
支援を目的とする補助金制度の中に、特許出願等が含まれている場合の2種類が
あります。

今回、弊所では、当該補助制度の実情について、独自に調査を行いました。
そして、補助制度を持っている都道府県と、その内容や連絡先について、
以下の表にまとめました。

<表1 主要都道府県等の補助制度>
<調査対象>
◆関東経済産業局の管轄都県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、
山梨、長野、新潟、静岡)
◆関東以外の各経済産業局の所在道府県(北海道、宮城、愛知、大阪、広島、
徳島、福岡、沖縄)
◇なお、上記以外の府県、市区町村は、時間の都合上、今回は調査対象外と
させて頂きましたことをご了承下さい。
表1
表1
なお、今回調査対象外とした府県においても、上記同様の補助制度が存在
する可能性はあります。

費用の名目、適用対象となる工業所有権の種類(特許、実用新案、意匠、
商標、また、日本国内の出願か、外国出願か、等)、補助の申請期間、補助
が認められる条件、補助される金額は、各都道府県や団体ごとにそれぞれ
異なっています。
より詳しい情報をご希望の方は、お手数ですが、上記連絡先に連絡して、
ご自身で確認をしてみて下さい。

ただし、これらに共通しているのは、開発完了後の技術、及び、出願完了後の
特許出願等について補助の申請を行っても、その申請が認められる可能性は
ほぼゼロであるということです。

また、申請できる期間は、毎年特定の数週間〜数ヶ月だけしか認められて
いないので、申請期間を逃してしまい、申請できなくなってしまうケースも
あり得ます。
ですので、上記連絡先に対する連絡や相談は、なるべく早いうちに行われる
ことをお勧めします。

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<<経済産業局等の補助制度>>

また、各地域の経済産業局は、補助制度を多く有しています。
経済産業局等の補助制度は、研究開発支援費の一部としての補助である場合が
多いようです。

補助金の対象となる主体は、中小企業や、個人発明家等が中心になるようです
が、ものによっては、大学等の研究機関等が含まれる場合もあるようです。

また、年間を通じ、様々な名目や技術分野の補助金の公募が行われています。
まめに同局HPをチェックして、対象となりそうな公募が行われているかを
確認してみることをお勧めします。

<表2 各経済産業局の補助金情報、公募情報>
表2
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<<中小企業庁の補助制度>>

中小企業庁は、「ものづくり高度化法」に基づく、研究開発費の補助の一環と
して、「戦略的基盤技術高度化支援事業」を行っています。
これは、研究開発支援費を提供するための事業です。
そして、特許出願等の費用負担(但し、特許事務所に対する費用負担に限る)
がここに含まれます。

当該事業による支援費を得るためには、以下(1)及び(2)の条件を満たすこと
が必要です。

(1)いわゆる「ものづくり高度化法」の研究開発の認定を受けていること。
(2)「戦略的基盤技術高度化支援事業」の公募に応募すること。

詳しくは、「中小企業庁」のホームページをご参照下さい。
http://www.chusho.meti.go.jp/index.html

上記(1)の認定を受けられるか否かについては、中小企業庁HPの下記ページを
参考に、判断してみて下さい。
「トップページ」→「経営サポート」→「ものづくり中小企業支援」→
「ものづくりに取り組む中小企業への支援策について(中小ものづくり
高度化法ポータルサイト)」
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/index.htm

なお、実際に(1)の認定を受けるには、各地の経済産業局への申請が必要
です。

上記(2)の内容詳細については、下記をご参照下さい。
「トップページ」→「経営サポート」→「ものづくり中小企業支援」→
「平成22年度予算に係る戦略的基盤技術高度化支援事業の公募について(予告)」
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2010/100203senryaku_koubo.htm

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<<日本弁理士会の特許出願等支援制度>>

日本弁理士会では、以下(1)(2)に示す2つの支援制度を有しています。

(1)手続費用融資制度
(2)手続費用給付制度

以下、それらの詳細を説明します。

(1)手続費用融資制度
<補助内容>日本弁理士会で決めた金額を無担保無利子で貸与する制度です。
<対象者>以下のうち特許出願等の支払いが困難な者
・実施しようとする発明者自身
・他人に実施させようとする発明者自身
・大学等の教育機関の教育者または研究者
・いわゆる中小企業
・TLO
・私立大学等の学校法人
・ベンチャー企業

(2)手続費用給付制度
認定した金額を給付する制度です。支援金は対象とする手続が終了した時点で
代理をした弁理士に支払われます。
<補助概要>
有用な発明をした人で収入が所定の基準に達していない方

なお、上記(1)(2)の制度の詳細は、下記HPをご参照下さい。
「日本弁理士会ホームページ 特許出願資金援助制度」
http://www.jpaa.or.jp/activity/seminar_support/service/patent_application/

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制度の説明はとりあえずここまでとします。
次回は、具体的に、これらの制度によってどの程度費用のメリットを得られる
のか、検証を行ってみたいと思います。

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◆◇ 編集後記 ◇◆
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

今回の特集で取り上げた方法は、前回の特集でご紹介したものよりは知名度の
低いものが多かったのではないかと思います。
でも、今回特集にあたって調べてみると、補助金制度を持っている組織や、
存在する補助金の種類・名目が思いのほか沢山あることに驚きました。
今回紹介したもの以外にも、有名無名を問わず、メリットを得る方法は他にも
たくさんあることが想定されます。
お時間とご興味のある方は、是非調べてみて下さい。

ところで、さる2月28日、東京マラソンが開催されました。
私は今回、沿道の観衆のひとりとして観戦させて頂きました。
雨天にも関わらずコースも沿道も大盛況。愉快なコスプレのランナー(なぜか
マイケル・ジャクソンが多かった。)、ランナーに飲み物やバナナを配る
ボランティアの皆さん、旗や横断幕を持って声援する沿道の観衆と、手を
振って応えるランナーたち。
皆楽しそうに見えました。それに感動的でした。
私は間近で見ながら、これはランナーだけの単なる競技ではなく、ランナーと
その周囲の人々が共に参加し、一緒に「作り上げる」イベントだと思いました。
だから感動的だったのだと思います。

一緒に「作り上げる」という点は、我々の業務においても相通ずるものがある
と思います。
よりよい権利の取得や、よりよい権利の活用を行うためには、特許事務所と
お客様とが、権利の取得や権利の活用に共に参加して、一緒に「作り上げる」
ことが重要であると思います。
そのために、私達は、一方的になることなく、かつ依存することもなく、常に
お客様と協力しながらよりよい権利取得と活用を目指すべきだと思います。
今回のマラソン観戦と感動から学んだことは、是非、日頃の業務に反映させて
いけるよう、日々精進を続けていこうと思う次第であります。

皆様、引き続き今後ともよろしくお願い致します。

ご意見やご要望があれば遠慮なく、下記の「連絡先」までご連絡下さい。

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