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====================================================================== ◆◇◆ 佐野国際特許事務所 メールマガジン ◆◇◆ 2009年11月10日 第6号 ====================================================================== 発信元:佐野国際特許事務所 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、弊所とお取引のあるお客様や、過去に名刺交換等を させて頂いたお客様等を対象に送らせて頂く、無料のメールマガジンです。 知的財産に関する昨今の話題や、お客様の実務上お役に立つと思われる情報を ピックアップして、月2回程度のペースで送らせて頂きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目次 ◆◇ 弊所新サービス 初期費用のいらない成功報酬型の「技術問題解決コンサル」のご案内 ◇◆ ◆◇ 特集 出願〜登録までの期間について(その3) ◇◆ ◆◇ セミナー、コンサル等のご案内 ◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 弊所新サービス 初期費用のいらない成功報酬型の「技術問題解決コンサル」のご案内 ◇◆ ---------------------------------------------------------------------- 佐野国際特許事務所では、このたび新サービスとして、初期費用のいらない 成功報酬型の「技術問題解決コンサル」を開始いたしました。 今まで貴社の中では解けなかった技術的問題の解決を初期費用なしでお手伝い いたします。 人手がない、ターゲットが決まらない、アイデアが出ない等でお困りの場合に ご利用下さい。 詳細はこちらからどうぞ。 http://www.sanopat.jp/Contingency_fee_type_consulting_serviceNo1.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 特集 出願〜登録までの期間について(その3) ◇◆ ---------------------------------------------------------------------- 引き続き、特許出願等の期間について特集しております。 お客様が出願〜登録までの期間を想定する上で、参考にして頂ければ幸いです。 前々回、前回と、特許の期間について検証しました。 今回は、実用新案、意匠、商標の期間について検証してみます。 ---------------------------------------------------------------------- <実用新案の期間> 前回まで、特許の期間の検証において、日本国特許庁が発表している 「ファーストアクション期間」を用いて検証してきました。 この「ファーストアクション期間」とは、特許出願の場合は出願審査請求を 起点、意匠出願、商標出願の場合は出願手続を起点とし、この起点から、 特許庁から出願人に対して審査結果の最初の通知(登録を認める場合の「登録 査定」や、このままでは登録が認められない場合の「拒絶理由通知書」)が 来るまでに要する期間のことです。 なお、ファーストアクション期間は下記の特許庁ホームページに記載されて いるので、ご参照下さい。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toukei/nenpou_toukei_list.htm 『特許行政年次報告書〈統計・資料編〉』 ↓ 『●集計結果 統計表一欄』 ↓ 『出願等統計(2009年版)について 2009.6.12』 ↓ 『第2章 主要統計 1.審査・審判の審査・審理期間』欄のPDFファイル ところが、実用新案には、この「ファーストアクション期間」がありません。 なぜでしょう? 答は、日本の実用新案は、無審査で登録されるからなのです。 特許の場合、出願審査請求がされた特許出願は、特許庁の審査官が 新規性、進歩性などの特許要件を満たしているか、審査を行います(特許法 第48条の2)。 一方、実用新案の場合、「方式」等の形式的要件を満たしていない場合を 除き、実用新案登録出願は原則全て登録されます(実用新案法第14条第2項)。 つまり、実用新案登録出願は、特許出願と違い、特許庁審査官が新規性や 進歩性の審査を行いません。 なので、審査結果の通知までの期間である「ファーストアクション期間」が 存在しないのです。 そして、新規性や進歩性の審査がない分、実用新案は出願から登録までに要 する期間が特許に比べて極めて短いです。 実用新案登録出願から登録までに要する期間は、2ヶ月程度と考えて頂いて よいと思います。 これを図示すると、下記(図1)のようになります。 * 図がうまく表示されない場合、メーラを「等幅」設定にしてご覧下さい。* (Outlook Expressの場合:「表示」→「文字のサイズ」→「等幅」) なお、実際の手続上は、(2)の登録査定の後、特許庁に登録料を納付すると 設定登録されて実用新案権が発生するのですが、査定〜料金納付〜設定登録 の期間はごく短期間なので、説明の簡単のため、今回考察する期間からは割愛 します(以下のモデルケースにおいても同じ)。 ---------------------------------------------------------------------- <意匠の期間> 意匠の場合、すべての意匠登録出願は、特許庁の審査官によって、新規性、 創作容易性等の登録要件の審査が行われます(意匠法第16条)。 そのため、意匠登録出願には「ファーストアクション期間」が存在します。 上記「主要統計」には、過去3年間の意匠のファーストアクション期間が、 以下のように記載されています。 ◆2006年:7.1ヶ月 ◆2007年:7.3ヶ月 ◆2008年:7.4ヶ月 ---------------------------------------------------------------------- <モデルケースに基づく、具体的な期間の算出(意匠編)> これを踏まえつつ、意匠登録出願における出願〜登録までに要する大体の期間 を具体例に基づいて考えてみることにします。 [モデルケース1] まずは、 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ (1)意匠登録出願 (2)登録査定 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ という流れで手続が行われた場合を考えます。 意匠登録出願においては標準的なケースです。 「主要統計」によれば、(1)→(2)までに約7.4ヶ月かかります。 つまり、意匠登録出願から登録査定が出るまでに約7.4ヶ月を要することに なります。 図示すると、下記(図2)のようになります。 [モデルケース2] 次に、不幸にして拒絶理由通知が来てしまった場合を考えます。 具体的には、 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ (1)意匠登録出願 (2)拒絶理由通知書 (3)手続補正書・意見書提出 (4)登録査定 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ という流れで手続が行われた場合を考えます。 [モデルケース1]と同様に考えると、 (1)→(2)までに約7.4ヶ月かかります。 また、意見書・補正書の提出期間は、「拒絶理由通知書」が発送されてから 約40日です。 そして、意見書・補正書を提出してから登録査定までに、約6ヶ月を要する ものとしてみます。 つまり、 (2)→(3)までに約40日かかり、 (3)→(4)までに約6ヶ月かかることになります。 これらを合計すると、意匠登録出願から登録査定が出るまでに約15ヶ月の 期間を要することになります。 これを図示すると、下記(図3)のようになります。 なお、審査段階で登録が認められず(上記(3)の後で「拒絶査定」という 書面が来てしまった場合)、なおも権利化を望む場合、特許庁に対し「拒絶 査定不服審判」というものを請求して争うこともできます(意匠法第46条)。 「拒絶査定不服審判」を行って登録が認められた場合、上記[モデルケース2] の期間に、更に、約1年ほどの期間が加算されます。 ---------------------------------------------------------------------- <商標の期間> 商標の場合も、すべての商標登録出願は、特許庁の審査官によって、登録要件 の審査が行われます(商標法第16条)。 そのため、商標登録出願も「ファーストアクション期間」が存在します。 上記「主要統計」には、過去3年間の商標のファーストアクション期間が、 以下のように記載されています。 ◆2006年:6.5ヶ月 ◆2007年:6.9ヶ月 ◆2008年:7.9ヶ月 ---------------------------------------------------------------------- <モデルケースに基づく、具体的な期間の算出(商標編)> 上記を踏まえつつ、商標登録出願における出願〜登録までに要する大体の期間 を具体例に基づいて考えてみることにします。 [モデルケース3] まずは、 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ (1)商標登録出願 (2)登録査定 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ という流れで手続が行われた場合を考えます。 商標登録出願においては標準的なケースです。 「主要統計」によれば、(1)→(2)までに約7.9ヶ月かかります。 つまり、商標登録出願から登録査定が出るまでに約7.9ヶ月を要することに なります。 図示すると、下記(図4)のようになります。 [モデルケース4] 次に、不幸にして拒絶理由通知が来てしまった場合を考えます。 具体的には、 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ (1)商標登録出願 (2)拒絶理由通知書 (3)手続補正書・意見書提出 (4)登録査定 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ という流れで手続が行われた場合を考えます。 [モデルケース3]と同様に考えると、 (1)→(2)までに約7.9ヶ月かかります。 また、意見書・補正書の提出期間は、「拒絶理由通知書」が発送されてから 約40日です。 そして、意見書・補正書を提出してから登録査定までに、約3ヶ月を要する ものとしてみます。 つまり、 (2)→(3)までに約40日かかり、 (3)→(4)までに約3ヶ月かかることになります。 これらを合計すると、商標登録出願から登録査定が出るまでに約13ヶ月の 期間を要することになります。 これを図示すると、下記(図5)のようになります。 なお、商標においても、意匠と同様、審査段階で権利が認められない場合に 「拒絶査定不服審判」を請求することができます(商標法第44条)。 「拒絶査定不服審判」を行って登録が認められた場合、上記[モデルケース4] の期間に、更に、約1年ほどの期間が加算されます。 ---------------------------------------------------------------------- <まとめ> 以上を総合すると、出願から登録までに要する期間は ◆実用新案の場合・・・約2ヶ月 ◆意匠の場合 ・標準は約7.4ヶ月 ・長ければ約15〜27ヶ月 ◆商標の場合 ・標準は約7.9ヶ月 ・長ければ約13〜25ヶ月 ということになります。 なお、意匠、商標の場合特にそうですが、上記期間はあくまでも大体の目安で あり、個々の出願の性質等によって変動しうるものであることをご了承下さい。 ---------------------------------------------------------------------- ところで、前回のメールマガジンで、特許等の期間をもっと短くする方法が あることをお知らせしました。 これについては、来月発行のメールマガジンで特集予定です。 大変すみませんが、もう暫くお待ち下さい。 <来月号につづく> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ セミナー、コンサル等のご案内 ◇◆ ---------------------------------------------------------------------- 今からでも申込み可能な「11月に開催されるセミナー」 1.2009年11月18日(水)開催 テーマ:(1)事例で学ぶTRIZ入門(発明原理を中心に) (2)TRIZの発明原理を用いた「発明聞き取り技法」 主 催:日本アイアール株式会社 詳 細:内容の確認、申込みは下記URLからどうぞ http://www.nihon-ir.jp/seminar/ir/20091118.htm 2.2009年11月27日(金)開催 テーマ:根本問題を見つけ出し、解決策を提案する方法(TOCとTRIZの併用) 〜モグラたたきゲーム的な問題解決に陥らないために〜 主 催:佐野国際特許事務所、日本アイアール株式会社 詳 細:内容の確認、申込みは下記URLからどうぞ http://www.tizai.sanopat.jp/schedule.html ---------------------------------------------------------------------- 弊所では、「企業価値の最大化」を目指した研究開発・知財戦略の計画・実行 のお手伝いをする「研究開発・知財戦略ソリューション」サービスを提供して おります。 その概要は以下のとおりです。 ---------------------------------------------------------------------- (1)「知財戦略セミナー」 貴社の「知的創造サイクル(知財創造→知財保護→知財活用)」の円滑 な実施に役立つ「知財戦略セミナー」を開催しています。 公開セミナーに参加することで、具体的な手法と弊所で提供するソリュ ーションの概要を把握していただけます。 セミナー開催形式は、以下(a)(b)に示す2通りがあります。 (a)外部機関主催の公開セミナー (b)外部機関と弊所との共催による公開セミナー ---------------------------------------------------------------------- (2)「知財戦略セミナー」出張サービス 貴社の事業所に弊所の講師が出張して、貴社が抱えている問題を題材に して「知財戦略セミナー」出張サービスを行います。 具体的な問題を解決する担当者全員に対する意識付けを行うためのキッ クオフ・セミナーとして、ご利用いただけます。 ---------------------------------------------------------------------- (3)「知財戦略コンサル」サービス 貴社が他社に先駆けた開発テーマの発見、課題の実現ができるように なる「知財戦略コンサル」サービスを提供しております。 ワークショップ形式で進めますので、参加者が実践的なスキルを身に つけることができます。 ---------------------------------------------------------------------- (4)「特許調査とパテントマップ作成」サービス 具体的な研究開発テーマに関する問題解決のために必要となる特許調査 やパテントマップについては「特許調査とパテントマップ作成」サービス を提供しています。 ---------------------------------------------------------------------- なお、上記サービスの詳細は、下記URLにてご確認下さい。 <研究開発・知財戦略ソリューションのご提案> http://www.sanopat.jp/Solution_Proposal.pdf また、上記(1)(2)に示すセミナーの詳細は、下記URLにてご確認下さい。 <セミナーのご案内> http://www.sanopat.jp/seminar/index.htm <知的創造力養成セミナー 一般公開> http://www.tizai.sanopat.jp/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 編集後記 ◇◆ ---------------------------------------------------------------------- 最後までお読み頂き、ありがとうございました。 今回は、実用新案、意匠、商標の出願から登録までに要する期間について、 具体的に算出してみました。 特許の場合と同様、意匠や商標の期間も高い精度で想定することがとても 難しく、今回出した数字はかなり大雑把なものですが、ひとつの目安として、 お役立て頂ければ幸いです。 多くのお客様とお話しをさせて頂きながら思うのですが、最近、特許や商標に ついて「権利を取ること」以上に「権利を使うこと」を重視するお客様が とみに増えておられます。 弊所としても、より「使える」権利をお客様に取得して頂くために、日々 思考と工夫をこらしております。 今回ご紹介させて頂きましたように、弊所では新しいタイプのコンサルを 開始いたしました。 これも、お客様に「使える」権利を取得して頂き、取得した権利をよりよく 使って頂くための業務を、お客様にとってより手軽な形でご提供させて頂く ことが目的です。 本サービスに関し、ご質問等ございましたら、お気軽にご連絡下さい。 なお、この新サービスをはじめとして、皆様に役立つ情報をより多く発信 してゆきたいという思いのもと、このメールマガジンは、今月より月2回 発行とさせて頂きます。 今後も皆様にご満足頂けるサービスを提供できるよう所員一同尽力する 所存ですので、引き続き、今後ともよろしくお願いいたします。 なお、ご意見やご要望があれば遠慮なく、下記の「連絡先」までご連絡下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発信元:佐野国際特許事務所 〒104-0042 東京都中央区入船1丁目2番9号 八丁堀MFビル9階 TEL:03-3206-2731 FAX:03-3206-2732 E-mail: sanopat@sanopat.jp URL: http://www.sanopat.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ---------------------------------------------------------------------- 本メールの無断転載はご遠慮下さい。 (C)Copyright By SANO & ASSOCIATES INTERNATIONAL PATENT FIRM 本メールマガジンの記載内容については正確を期しておりますが、弊所は、 利用される方がこれらの情報を用いて行う一切の行為について責任を負うもの ではありません。 一覧に戻る | |
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