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知的財産知恵袋 Mail Magagine Archive

【2009年12月22日 第7号】

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◆◇◆ 佐野国際特許事務所 メールマガジン ◆◇◆
                                    2009年12月22日 第7号
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発信元:佐野国際特許事務所

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このメールマガジンは、弊所とお取引のあるお客様や、過去に名刺交換等を
させて頂いたお客様等を対象に送らせて頂く、無料のメールマガジンです。

知的財産に関する昨今の話題や、お客様の実務上お役に立つと思われる情報を
ピックアップして、月2回程度のペースで送らせて頂きます。

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目次

◆◇ 弊所新サービス「発明思考プロセス解析」サービスのご案内<予告編>◇◆

◆◇ 弊所新サービス 
初期費用のいらない成功報酬型の「技術問題解決コンサル」のご案内 ◇◆

◆◇ 特集 出願~登録までの期間について(その4) ◇◆

◆◇ セミナー、コンサル等のご案内 ◇◆

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◆◇ 弊所新サービス「発明思考プロセス解析」サービスのご案内<予告編>◇◆

弊所では新たに、標記サービスをご提供させて頂くことになりました。
これについては、近日中に別途お知らせ致します。
ご期待下さい!!

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◆◇ 弊所新サービス
初期費用のいらない成功報酬型の「技術問題解決コンサル」のご案内 ◇◆
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佐野国際特許事務所では、このたび新サービスとして、初期費用のいらない
成功報酬型の「技術問題解決コンサル」を開始いたしました。
今まで貴社の中では解けなかった技術的問題の解決を初期費用なしでお手伝い
いたします。
人手がない、ターゲットが決まらない、アイデアが出ない等でお困りの場合に
ご利用下さい。

詳細はこちらからどうぞ。
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◆◇ 特集 出願~登録までの期間について(その4) ◇◆
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引き続き、特許出願等の期間について特集しております。
お客様が出願~登録までの期間を想定する上で、参考にして頂ければ幸いです。

今回は、審査の期間を早める方法について検証してみます。

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<<審査の期間を早める方法>>
前回まで、特許、実用新案、意匠、商標の出願から登録までの期間について
の期間の検証してきました。
説明してきたとおり、特許、意匠、商標(特に特許)は出願から登録までに
比較的長い期間を要します。
この期間をもっと短縮する方法があることを、前回、前々回のメールマガジン
でほのめかしてきました。
今回は、その審査の期間を早める方法についてご説明します。

日本の特許出願、意匠登録出願、商標登録出願において審査の期間を早める
方法として、特許庁はいわゆる「早期審査」という運用を行っています。

また、日本の特許出願においては、「早期審査」とは別に、「スーパー早期
審査」、及び「優先審査」という制度も設けられています。

今回は、これらについて説明します。

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<<「早期審査」「スーパー早期審査」「優先審査」のメリット>>
通常、特許出願の審査は、「出願審査請求」という手続をおこなった順番に
行われるのが原則です。
たとえば、下の<図1>のようなケースを考えます。

図1
(図1)に示す場合、出願は、出願(1)→出願(2)→出願(3)の順ですが、審査の
結果が出るのは、出願審査請求の順番である、出願(2)→出願(3)→出願(1)の
順となります。

しかし、諸般の事情で、通常より早く審査結果をもらいたい場合もあります。
このような場合に「早期審査」や「優先審査」を行うと、その出願が最も
早く審査を行ってもらえます。

たとえば、下の<図2>のようなケースを考えます。

図2
(図2)に示す場合、まず早期審査請求が行われた出願、次いで、通常の出願
審査請求がされたものが請求順に、それぞれ審査されます。
従って、出願(3)→出願(2)→出願(1)の順に審査されます。

しかも、早期審査請求、優先審査請求を行った場合、請求を行ってから
審査の結果が出るまでの早さが、通常の審査請求を行った場合とは格段
に違います。

通常の審査請求を行った場合、審査請求を行ってから特許庁の最初の審査
結果が出るまでの期間(ファーストアクション期間)は約28.5ヶ月(2008年)
なのに対し、例えば、早期審査請求を行ってから特許庁の最初の審査結果
が出るまでの期間はおよそ2~4ヶ月程度(弊所の実務経験上の数値)です。


一方、意匠、商標の場合、出願審査請求がないので、原則、出願された
順番に審査がおこなれます。

たとえば、下の<図3>のようなケースを考えます。

図1
(図3)に示す場合、審査の結果が出るのは、出願の順番である、出願(1)→
出願(2)→出願(3)の順となります。

一方、早期審査請求がされた場合としてたとえば、下の<図4>のようなケース
を考えます。

図4
(図4)に示す場合、まず早期審査請求が行われた出願、次いで、早期審査請求
がされていない出願が出願順に、それぞれ審査されます。
従って、出願(3)→出願(1)→出願(2)の順に審査されます。

また、「スーパー早期審査」を行った場合も、通常の特許出願との関係は
「早期審査」の場合と同じです。
ただ、「スーパー早期審査」を請求してから審査結果が出るまでのスピード
は、「早期審査」の場合に比べてさらに早いとされています。
(特許庁は、請求があってから最初の審査結果の報告までを約1ヶ月で行うこと
を目標に掲げています。)

なお、「早期審査」「スーパー早期審査」「優先審査」を請求した場合と
そうでない場合で、審査の結果が変わること(例えば、「早期審査」を請求
した場合には、そうでない場合に比べて審査の基準が厳しくなるようなこと)
はありません。
また、「早期審査」「スーパー早期審査」「優先審査」のどれを選んでも
審査の結果が変わることはありません。

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<<早期審査>>
次に、早期審査の説明です。
早期審査とは、所定の要件を満たし、かつ出願人からの申し出があった特許
出願を、通常の出願よりも順位を優先して審査を行う制度のことです。

日本の特許庁は、特許、意匠、商標において早期審査を行っています。

通常、特許庁は特許法の規定にのっとって審査を行いますが、早期審査は
特許法の規定に直接基づいたものではなく、特許庁が「運用」として行って
います。
従って、特許法の条文を探しても「早期審査」という言葉は出てきません。

早期審査を行うには、「早期審査に関する事情説明書」という書面を特許庁
に提出することで行います。
この「早期審査に関する事情説明書」は、特許出願の書類や、出願審査請求
書とは別の書面になります。

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<早期審査が認められる条件 -特許->

特許の場合、早期審査が認められるためには、以下(1)~(3)のいずれかの条件
を満たしていることが必要です。

(1)出願審査の請求がなされていること。(特許出願の場合のみ)

(2)以下(a)~(d)のいずれか1つの条件を満たしていること。

(a)中小企業、大学、公的研究機関等の出願
出願人の全部又は一部が、中小企業、個人、大学・短期大学、公的研究機関、
又は承認若しくは認定を受けた技術移転機関(承認TLO又は認定TLO)で
あるもの

(b)外国関連出願
出願人がその発明について、日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも
出願している特許出願(国際出願を含む)であるもの

(c)実施関連出願
出願人などがその発明を実施している場合

(d)グリーン関連出願
グリーン発明(省エネ、CO2 削減等の効果を有する発明)について特許を
受けようとする場合

(3)特許法第42条第1項の規定により取下げとならないものであること
つまり、いわゆる国内優先権主張の基礎とされて取り下げられたものではない
場合です。

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<早期審査が認められる条件 -意匠->

意匠の場合、早期審査が認められるためには、以下(1)(2)のいずれかの条件を
満たしていることが必要です。

(1)権利化について緊急性を要する実施関連出願
出願に係る意匠と同一又は類似の意匠を第三者が実施している場合など。

(2)外国関連出願
出願人がその出願の意匠について日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へ
も出願している意匠登録出願であること。

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<早期審査が認められる条件 -商標->

商標の場合、早期審査が認められるためには、以下(1)(2)のいずれかの条件を
満たしていることが必要です。

(1)出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に使用して
いる又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を
要する出願。

(2)出願人又はライセンシーが、出願商標を既に使用している商品・役務
又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願

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<早期審査の詳細説明>

なお、早期審査についての詳細な説明は、下記HPをご参照下さい。

<特許>
「早期審査・早期審理ガイドライン(特許出願)の改訂について」
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/v3souki.htm

<意匠>
「意匠早期審査・早期審理制度の概要」
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/isyou_soukisinri.htm

<商標>
「商標早期審査・早期審理制度の概要」
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/shkouhou.htm

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<<スーパー早期審査>>
次に、スーパー早期審査の説明です。
スーパー早期審査は、早期審査と同様の手続により、早期審査よりも早く
審査を行う制度のことです。
これも、特許庁の「運用」です。

日本の特許庁は、特許においてのみスーパー早期審査を行っています。

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<スーパー早期審査が認められる条件>

スーパー早期審査が認められるためには、以下(1)~(3)のいずれかの条件を
満たしていることが必要です。

(1)出願審査の請求がなされていること。(特許出願の場合のみ)

(2)「実施関連出願」かつ「外国関連出願」であること
「実施関連出願」「外国関連出願」は、上記の早期審査の説明をご参照下さい。

(3)スーパー早期審査の申請前4週間以降になされたすべての手続をオンライン
手続とする出願であること。

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<スーパー早期審査の詳細説明>

スーパー早期審査についての詳細な説明は、下記HPをご参照下さい。

「スーパー早期審査の試行開始について」
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/souki/supersoukisinsa.htm

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<<優先審査>>
最後に、優先審査の説明です。
優先審査も、所定の要件を満たし、かつ出願人からの申し出があった特許
出願を、通常の出願よりも順位を優先して審査を行う制度のことです。

優先審査は、「早期審査」「スーパー早期審査」と違い、特許法に規定
されているものです(特許法第48条の6)。

また、日本の特許庁は、特許において優先審査を行っています。

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<優先審査が認められる条件>

優先審査が認められるためには、以下(1)~(4)の条件を満たしていることが
必要です。

(1).特許出願について出願審査の請求があったこと

(2).特許出願が出願公開後・特許査定前であること

(3).第三者が出願公開後・特許査定前に特許出願に係る発明を業として実施
していること

(4).優先審査をする必要があること

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<優先審査の詳細説明>

優先審査についての詳細な説明は、下記HPをご参照下さい。

「審査便覧32.01 優先審査」
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/handbook_shinsa/32.pdf

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<<利用しやすい制度はどれか>>
上述の通り、「早期審査」「スーパー早期審査」「優先審査」を請求した場合
とそうでない場合、あるいは、そのうちのどれを選んだかによって、特許出願
の審査の結果が変わることはありません。
であれば、利用する場合、一番利用し易いものを選択するのがベストです。
では、どれが一番利用し易いのでしょうか?

「早期審査」「スーパー早期審査」「優先審査」は、利用が認められる条件が
それぞれ異なっており、また、それぞれの出願の事情に個別に異なっています。
ですので、どれが利用しやすい、しにくいと一概に言うことはできません。

ただ、「優先審査」は、その特許出願が、上記(3)に代表されるような特殊な
条件を満たしている場合でなければ認められません。

また、「優先審査」が認められるためには、上記(4)に示すような、その第三
者が実施しているものが本件特許出願に係る発明の内容であることを証明する
書面(例えば鑑定書等)を特許庁に提出する必要があります。
そのため、「優先審査」を求める際に準備しなければならない書面の種類や
分量は、「早期審査」において準備しなければならない書面の種類や分量に
比べて多くなることが多いです。

一方、「早期審査」と「スーパー早期審査」とを比べてみた場合、「スーパー
早期審査」の方が認められるための条件が厳しいです。

以上により、(例外は勿論ありますが)一般に、「早期審査」>「スーパー早期
審査」>「優先審査」の順に利用し易い場合が多いと考えられます。

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ワークショップ形式で進めますので、参加者が実践的なスキルを身に
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具体的な研究開発テーマに関する問題解決のために必要となる特許調査
やパテントマップについては「特許調査とパテントマップ作成」サービス
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なお、上記サービスの詳細は、下記URLにてご確認下さい。
<研究開発・知財戦略ソリューションのご提案>
http://www.sanopat.jp/Solution_Proposal.pdf

また、上記(1)(2)に示すセミナーの詳細は、下記URLにてご確認下さい。
<セミナーのご案内>
http://www.sanopat.jp/seminar/index.htm

<知的創造力養成セミナー 一般公開>
http://www.tizai.sanopat.jp/index.html

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◆◇ 編集後記 ◇◆
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

昨今は商品のライフサイクルや、製品開発から実施までの期間が短小化して
いること等に伴い、特許、意匠、商標について早期権利化を図りたいという
ご要望も増えています。今回ご紹介させて頂いた早期審査、スーパー早期審査、
優先審査はそうしたご要望にふさわしい制度だと思います。
今回の特集記事もご参照しつつ、皆様にもこれらの制度を有効に活用して頂け
ますと嬉しい次第です。

早いもので、今年ももう残すところあと10日たらずとなってしまいました。
今年は長引く不況の中、政権交代をはじめさまざまな出来事がありましたが、
そんな中で弊所がやってこれましたのも、ひとえに皆様のお蔭でございます。
皆様にお礼を申しますと共に、来年も引き続き弊所をご愛顧下さいますよう、
所員一同心よりお願い申しあげます。

よい年の瀬をお迎え下さい。

なお、ご意見やご要望があれば遠慮なく、下記の「連絡先」までご連絡下さい。

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発信元:佐野国際特許事務所

〒104-0042
東京都中央区入船1丁目2番9号
八丁堀MFビル9階
TEL:03-3206-2731
FAX:03-3206-2732
E-mail: sanopat@sanopat.jp
URL: http://www.sanopat.jp/

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